ニュージーランド部屋探しガイド
92年から93年の1年間、ニュージーランドのオークランドに住み、その間2回の引越しをしました。 ここは、その時の"体験記"です。
探し方、交渉の仕方、基本は日本と同じですが、オークランドらしいところを少し。
- 秋 〜 冬 静かな住宅街でホームステイスタート
- 真冬〜夏 市内中心部の住宅街に引越す(間借り=フラットシェア)
- 真夏〜秋 少し離れた住宅街に下宿を見つけ引越す(下宿=ボーディング)
ホームステイ
語学学校紹介のホームステイ先に住む
ワーキングホリデー制度を使ってニュージーランドに行くことを決め、語学学校 Languages Internationalにホームステイ先の選定を手紙で依頼しました(当時、メールは一部の専門家だけのものだったから)。
出した希望はただひとつ、大きな犬がいること。帰って来た手紙には、「big bouncy dog=でっかくて元気な犬」がいる家だ、と書いてあって、なんでも言ってみるもんだなあ、と嬉しかった。
家についてお昼ご飯をとった後すぐ、地図を広げてオリエンテーションという
感じで、説明をしてもらえました。
家の場所、迷子になった時の電話のし方、言い方「I'm lost」、
学校まで通うバスの系統番号、キッチンに行って、勝手に食べていいもの、ダメなもの、食事の時間、タバコを吸っていい場所、お風呂の栓のひねり方、カギの管理、などなどです。
ホームステイは、住ませる人間に対して、日本人がするようにお客さん扱いする態度はとらず、もっと淡々とビジネスライクな感じで接してくれます。
その後、彼らと本との家族・友人になれるかどうかは、それを受け入れられるかどうか、つまり、私達自身の側の接し方にあると思います。
オークランドでは家はオール電化住宅が一般的。
夏は乾燥して涼しいのでエアコンはなし。冬の暖房は屋内にある蓄熱器でまかない、個別の補充は日本でも広まってきたオイルパネルヒーターや電気ストーブ。
ニュージーランドは原発反対の政策をとっていて、発電は水力発電に頼っている。ところが冬はそんなにまとまった雨が降るわけでもないので、当時はダムの水位低下による電力不足で、停電が頻繁にありました。
North Shoreはオークランド北部の治安の良い、比較的新しく開発された住宅地。
どの家も広くゆったりとした間取で、ご近所さんもキチンとしたビジネスマン夫婦が多いところです。
家のローンが大変なのか、私のような学生をホームステイさせている家庭がとても多く、私の日本人の友人がステイした家のご主人はニュージーランドでもトップ3の銀行の支店長でしたが、彼女が行く前も出た後も、ひっきりなしに学生をホームステイさせていました。
(写真: Queen StreetのBank of Newzealand)
自分で銀行の取引が出来るようになるまで住む、という約束で3ヶ月間North Shoreの家に住みました。
銀行は一番ATMが多いBank of New Zealandで口座開設。
ホストファミリーのJocelynとDunkanが支店に連れて行ってくれ、書類の記入を手伝ってもらい、手持ちの現金をとりあえず普通預金に入金しました。
(余談: 銀行の係員が口座開設申込書の内容を目の前でチエックしている際「目の色は、う〜んと、ブラウンですね。」と言って描き加えたのが印象的でした。)
その後、英語も上達しホームステイを出る自信がついたので、次の部屋探しを始めました。
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フラット探し
ニュージーランドでの最初のフラット探し
まずは
経験者から情報収集。まだ英語が完璧でない頃なので、これは日本人の友人が頼りです。
物件探しの手段
4つあります。
- ① 新聞広告
- ② 語学学校の学生課に紹介を頼む
- ③ 道端の張り紙
- ④ 友人の紹介
今なら、それに加えてネットしょう。
海外ひとり暮らしリンク集の海外部屋探し/不動産に現地の代表的な物件検索サイトへのリンク(ニュージーランド&アメリカ)を載せています
① 新聞広告-Advatisement
- 関連記事:
- 広告の読み方解説
- 広告用語集
ニュージーランドの大新聞
"The New Zealand Herald"や地域のミニコミ紙等、どの新聞にも「FLAT SHARE」のページがあります。そこには、間借り人=Flat Mateを募集している人がたくさんの広告を出しています。
書いてあるのは、地区名(町名)、家の大きさ、部屋代(一週当り)、光熱費代、連絡先等どの記事も簡単なことだけです。
The New Herald紙のサイトでは「フラットメイト探してます」のページ、
Flatmates Advertisements があり、ものすごい数の人が自分の家に一緒に住んでくれる人を探す広告が載っています。(現在はありません)
が、ありましたが、2011.3月現在は flatfinder.co.nz がお薦め。
理由は
- 探すのも広告を出すのもタダ=無料(Free)
- ヘルプページが分かりやすい
- 「みなさんの声」を隠さずにUser Feedbackで公表し、毎月の訪問者数もグラフで分かりやすく公表してる
- 表示が遅くない
からです。
ちなみにキャッチコピーは「使い方カンタン、ニュージーランドで一番のフラットメイト探しサイト、ぜひお試しを=It's easy to use and new zealand's best way to find a flatmate give it a go.」
そのとおりだと思います。(Mar 22 2011改訂)
注意: 以下は以前あったNewZealand Herald紙のウェブサイトの例です。リンクをクリックしてもページはもう開きません(March 2011)
|
の「Flatmates」をクリックしてみて下さい。
|
また、地域・条件を絞って検索したい時は、「Search Flatmates 」を使うと、たくさんの広告を全部読まなくても、自分の希望条件に合った広告だけピックアップしてくれます。
フラットシェアだけでなく、私のように下宿人=Border 探しの広告が載っているページもありますし、部屋を借りたい人が 「こちら日本人学生。親切なニュージーランド人の家庭で下宿させてもらえる所を探しています。
下宿代は○○ドル位を希望」 というような広告を出すこともできます。例文は広告の読み方解説も参考にしてみて下さい。
毎週、膨大な数の広告が載りますから、きっといい所が見つかります。
私はフラットも下宿も、結局新聞広告で見つけたとこに住みました。2軒ともいいところだったので、私はラッキーでした。
- 関連記事:
- フラットメイト募集広告の読み方
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② 学生課に紹介してもらう
現地の語学学校に通っていたので、学生課がありました。
もし、大学やなにかの学校に通っているなら、尋ねてみると学生のフラットメイトを探してる物件を紹介してくれるはずです。
私の場合は「フラットを紹介して欲しい」と頼んだら、リストを出して来て(昔のことなので、紙のリスト)、学生課の人が先方に電話して、○○な学生が××な部屋を探してる
と話してくれ、後で私が住んでいたホームステイ先に電話をしてあげてくれ、と言ってもらえました。
↑
"後で本人から電話させる" と言ってくれた が正解でした。記憶がかなりあいまいです。すみません。 (Feb 4'04)
普通に真面目な学生で、授業料も毎週キチンと払ってたので、その学生課の彼女も私のことをいい感じに売り込んでくれました。
サボリ気味だったり、態度超悪かったりしてたら、推薦してくれなかったかもしれません、分りませんが。
自分で探すより手間が省けるし、学校を通してる分、こちらが学生だということは分ってるはずなので、折角見に行って気に入っても、後から「学生はお断りです」と言われることもないです。
学生にしか貸したくない人たち
自分の家の子供たちが何ヶ月とか何年、遠くの大学に行ってるので、その間、空いてる部屋を貸したいから、
長く住まない短期留学生を探してる、という人が結構多いです。
子供たちが使っていた勉強机やタンス、寝具一式、そのまま貸してもらえるので、身ひとつで入居できて便利です。
家の中・外を自分好みのインテリアでキメまくってるので、手持ちの家具を持ち込まれて雰囲気こわされたくないから、
学生にしか貸さない、というのもありました。
向かいに住んでたEさんがそうでした。
白いフリルのついたベッドカバーやなんやかやの、ロマンチックテイストあふれる、ほんとに素敵なデコレーションの家でした。
ただ、彼女は男なので、下宿人は男の学生しかとらないのでした。
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③ 張り紙で探す
よくある張り紙
下に連絡先が書いてあって、ちぎって持って帰えられる。
ニュージーランドには、
道端、オーガニックショップ、
ビジターズインフォメーションなどに、
たくさんの
張り紙がありました。
地元の
大学、職業専門学校(ポリテック)の学生用カフェの
掲示板にもいっぱい張ってあります。
そこでもいい物件が見つけられます。
部屋探しじゃないけど、私も
「仕事求む!」の張り紙を張りに行った事があります。
張り紙を見て物件探しをするのもいいけど、
自分で「部屋求む!」の張り紙を出したほうが、好きな希望を書けるし、色々選べるからいいですよ。
手書きでも、パソコンででも作って、インフォメーションの人に「ここに張らせて欲しいのですが」と断わって貼らせてもらいます。
大学などでは、
学生課の承認印をもらわないと、貼らせてもらえないとこもあります。
地元民が自分の車を売る時に、「For Sale! $2.000-」とか書いた紙をリアウィンドゥに貼って走ってるの見掛けます。
どこでも
人が集まりそうなとことか、自分が住みたい地域の
スーパーに、コミュニティ掲示板みたいなのがあるので
そこに貼ると、きっと反応がありますよ。
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④ 友人の紹介
日本人の友人が、ホームステイを出て地元民とフラットシェアしてるのだったら、そこにも声かけてみます。
そこに空き部屋はなくても、つてで他の空き部屋情報をくれるかもしれません。
いいつき合いをしてるのだったら、相手も推薦しやすいはずですし。
部屋を見に行く前に大家さんの人柄も聞けるし、知合い同志のつながりがあるから、住んだ後もなんとなく心強いでしょう。
私も日本人の知合いに部屋探ししてることを言ってたので、彼女のつてで空き部屋を持ってる人を紹介してもらえました。
部屋もいい感じだったけど、他の部屋の方が条件がよかったので断ったんですが。
大家さん・フラットメイトもいろいろ
ただ、声を掛ける相手を選んだ方がいいです。
部屋を貸してる人の中には、フラットメイトやその友達とやるのが好き、な人もいて、「日本人の女は入れ食い」位に思ってるので、もしこちらがそんなつもりはサラサラないところに、言い寄られてこられたらイヤな思いをします。
語学学校のクラスメートは、せっかく見つけたフラットの大家さんがそういう勘違いタイプの男だったそうで、そんな事を言ってこられて、とっても困っていました。
私も彼女と一緒に、その大家さん、そこに住むもう一人のフラットメイトとの四人で出掛けたこともあって、フレンドリーな人なんだな、と始めは思ってたんですが、その実態はとんでもだったのでした。
その話しを彼女から聞かされて、私は思わず「Why did you tell me! I'd helped you!」とかなんとか言いました。
すかさず、周りから「んじゃなくって、"Why didn't you"でしょ」とダメ出しが入ったのですけど。
「なんでその時すぐに電話くれなかったの、助けに行ってあげたのに!」と、言いたかったのに、英語が上手くなくて、正反対のセリフが出てしまったのでした。
彼女は「ありがとう、、」って微笑んでくれましたけど。
大家さん自体はそんなヤツじゃなかったとしても、その友人が日本人好きで、いい仲になってしまったとか、それでウワサがウワサを呼んで大家さんの友人達をとっかえひっかえ相手に、なんてことも無きにしもあらず、です。
若いうちは、そういうのが楽しいっ、て人もいるでしょうから、それはそれでいいとして、そんなのはイヤだ、という人は、そういうタイプじゃない人にだけ部屋探しの紹介を頼むべし、です。
永住するつもりならいいかもしれないけど、いづれ国に帰る気持ちがあるなら、固い既婚者夫婦の家に住んでるような、マジメタイプの人にたくさん声掛けしてみよう。
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部屋を見に行く
見てみたい部屋があったら、または、部屋を貸してくれるという人が連絡してきたら、相手と連絡をとって現地に出掛けていきます。
① 問合せの電話をかける、その前に
- 参考記事:
- 英語電話会話実例
私の一件目の問合せ電話は失敗しました。
そこから思いつくのは、「電話の前に英語の
"フラット探しの電話会話想定問答集"をつくっておけ!」です。(参考に
電話会話実例作ってみました。)
もうひとつ、「
ステイ先の人にはあらかじめ言っておけ!」です。
ホームステイを提供してる家族も、次に入れる学生の手配をしないといけないのだから、必ず前もって「ここを出ていこうと考えてるの」と話しておかないと。
電話の前に!
- 電話での言いまわし(フレーズ)を先に仕込んでメモっておく。
- 聞きたいことをリストにしておく。(家具はあるのか、等)
- 相手の情報(広告の切り抜きなど)を手元に持っとく。
- 自分の連絡先(住所、携帯電話番号など)がすぐ出るようにしておく。
- ステイ先の人に「部屋探しを始める」と言っておく。
失敗例: 準備が悪くて印象を悪くしてしまった電話
私の始めてのFlat探しの交渉相手は、学生課が紹介してくれた人でした。
「○○時頃、彼女からそちらにお電話をしますので」と、学生課が電話で相手に言ってくれてたので、急いでホームステイしていた家に戻って電話しました。
電話はつながったのですが、私がどんくさくて、残念ながらこの話しは
向こうから断わられてしまいました。
電話をかけて相手と拙い英語で何か、短いやり取りをしたと思います。ちょっと今では何を言ったのか全く思い出せません。
多分、「
I'd like to know about your flat. Could you tell me?」とかそんな程度のことだろうとは思うのですが。
で、ほんの短いやり取りしかしなかったと思うけど、最後にたしか相手が
「こちらから電話をかけ直すから、電話番号を教えてくれ」
と申し出たのでした。
でもとっさに家の電話番号がわからず、
「Hold on, please.」とかなんとか言って
長いこと電話を保留にしたまま、番号を書いてあった手帳とかを2階に探しに行ってたんです。
やっと番号を見つけ相手に伝えて、返事を待つことにして電話は終わったのでした。
その後、その日のうちだったか、後日だったか、むこうからお断りの電話がかかってきました。
「部屋はもう決まってしまった」というようなことだったと思います。
で、ガッカリして随分ヘコんだのでした。この辺は長い間忘れてたけど、今思い出すと当時のわたしは、
- フローレンス(だったかな? 学生課の人。) に「a very atractive woman」なんて紹介されて、すっかり
天狗になっていた。
- Flat探しの一発目で電話交渉もスムーズにこなせた(つもり。実際はたどたどしかったのに)自分に酔っていた。
- Flatに移る、ということで、自立する自分がえらく思え、新しい家に対する期待感でいっぱいだった。
という状態だったのでした。
そんなに簡単にことが運ぶわけないですよね。今から思えば言葉だってさっぱり出来ないし、家の電話番号も覚えてなかったし。
自分で部屋を借りて住むには、準備してなさ過ぎ、ちょっとまだ青かった、って気がします。
とはいえ、経験はかならず未経験から始まるものだから、やってみなきゃ分らない、とも思います。
知らない人との電話で始めて英語使わないといけないの、失敗がないわけがないし、あれが出来て、これも出来て、コレコレこういう条件をクリアしてるならホームステイを出てもいいぞ、なんて言いきってしまうのもなんだかな、と思うのです。
思いきってトライしてみてダメだったとしても、失敗から学ぶことはすごくいい肥やしになると思うし、世界を広げるのは全然悪いことじゃないと思いますし。今だからそう言えるのだけれど。
失敗例: ステイ先に何も言ってなかった
私は新しいフラットを探そう、と思いついて、ステイ先には何も言わないまま物件を探して、見学に行ったりしてたんです。
そしたら翌日くらいか、見に行った先から私の留守中に電話があったらしく、「××って人から部屋の件で連絡してくれって電話かかってきたけど、○○、ここ出ていっちゃうの?」と、とっても残念そうに尋ねられてしまったのです。
私から何も聞かされてなかったので驚いたでしょうし、黙ってことを進めてた私に、少しは不信感も持ったかもしれません。当然でしょうけど。
普通に部屋を借りてすんでるんだったら、家主に部屋の退去予告通告するのは、基本中の基本の義務。
ほんとの家族じゃなく、あくまでホームステイ家族は他人兼大家さん。
ホームステイという形式で家族同然で世話になってたために、私は相手に対して家族っぼい感覚の「甘え」を持ってしまってたんですね。
それと最初から「いつかはホームステイを出るつもりだ」とは宣言してあったけど、彼らが、わたしがホームステイ契約延長してずっと住み続けてくれたらいいな、と願ってることをわかってたし、態度でもそう示してくれてたこともあったので、それで「フラット探しを始めるね」と言い出せなく、黙ったまま部屋探しを進めてしまったんです。
規則・原則は頭では分ってても、実際にするのはなかなか難しい。でも、言っとくべきでした。
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コラム: 香港のリアルエステート(不動産屋)の営業はかわいかった。
2001年、返還後の香港を再び訪れました。
4時半頃、タイガーバーム公園から歩いて銅鐸湾(コーズウェイベイ)に帰る途中、不動産屋の店先の物件広告を興味本意でながめていたら、私達のことを
海外赴任者夫婦だとでも思ったのか、中から20代のかわいい女性が売込みに出て来てくれました。
センスのいいスーツ姿で応対は丁寧、広告を見てるだけの旅行者なんだ、と言ったのに、ちゃんと名刺も出して渡してくれました。
住む家を探してる、とウソ言って話しだけ聞いてみても面白かったかもしれないな、と思いました
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このページの最終更新日 29 Mar. '07